ウクライナ軍が「ドネツク人民共和国」で約70発の地雷爆破と迫撃砲の発砲を実行?

 2月18日、ロシアのスプートニクが「ウクライナ軍が「ドネツク民共和国」で約70発の地雷爆破と迫撃砲の発射を実行」というタイトルの記事をアップしました。

 ドネツク民共和国側の発表ですからウクライナの挑発行動であることを強調してロシアの介入の正当性を与えるものでしょうし、ロシア側と連携を取ったマスコミ工作の匂いがします。

 

 ロシアが軍事介入に踏み切るかという問題の分析は国際政治学者にまかせるとして、僕が問題にするのは「地雷」と「迫撃砲」です。

 タイトルを見て地雷と迫撃砲にどういう関係があるのか疑問に思いませんでしたか?僕としては「ああ、またか」という感じがしました。

 迫撃砲はロシア語ではминомёт(ミナミョート)です。字義から言えばмина(ミーナ/地雷)をметать(投射)する兵器です。迫撃砲で発射する砲弾はロシア語ではмина(ミーナ)ですが翻訳するなら「地雷」ではなく「迫撃砲弾」と訳さなければなりません。

 原文に当たってはいませんが、「地雷爆破」も変ですね。

「爆破」は何かに仕掛けられた爆発物を爆発させて壊すことですから「地雷爆破」では地雷を爆発処理するような感じです。「迫撃砲弾の爆発・破裂」、もっとこなれた訳なら「迫撃砲弾の弾着」でしょうね。

 誰が翻訳しているのかはわかりませんがロシアの通信社にしては軍事用語の翻訳が雑ですね。

 

 ちなみに迫撃砲の射撃が実際にあったとしても弾痕の形から落ちた弾薬が迫撃砲弾か榴弾砲加農砲の砲弾化の区別はつきます。