旭日旗問題、やらなきゃよかったことをなぜやるのか

韓国が「旭日旗」の掲揚を許容

 海上自衛隊護衛艦「はまぎり」が多国間訓練に参加するため釜山港に入港したとニュースに出ていました。NHKのニュースを見ると艦尾に自衛艦旗が掲揚されていました。

 2018年に韓国で行われた国際観艦式では韓国側から自衛艦旗を掲揚しないように要請されたので海上自衛隊は参加を辞退しましたが今回はそういうことはなかったということです。

旭日旗キャンペーン

 こんなブログにたどり着く方なら先刻ご承知でしょうが韓国で自衛艦旗としても使われている旭日旗が「軍国主義の象徴」として批判されだしたのは2011年のサッカー日韓戦で韓国のキ・ソンヨン選手がサルの真似をして日本を侮辱したとして問題になった時、その選手が「会場に旭日旗があったのに憤慨してやった」と言い訳してからです。

 この経緯についてWikipediaを見たら資料源を付けてうまくまとめてありました。そっちを見た方がいいでしょうね。

 韓国選手がその場しのぎの言い訳に使ったということは当時でも旭日旗に対する反感はあったのでしょうが「軍国主義の象徴」として大々的に反発しだしたのはこの事件が契機になったのは明らかです。僕らは歴史が作られる現場を目撃することができました。

旭日旗に反対してなにをしたかったのか

 さて、韓国で行われている旭日旗軍国主義の象徴だと非難するキャンペーンが深く考えて始められたものとは思えません。そうだとすればあまりにもずさんです。単にキ・ソンヨン選手の行動を正当化するため、あるいは反日闘士としてもちあげるために旭日旗軍国主義の象徴だと「難癖」を付け始めたにすぎません。

 キャンペーンを始めた人たちは旭日旗の意匠をこの世からなくすことを目指しているのかもしれませんが、自衛隊でも旭日旗が使われ、在日米軍でも日本を象徴する意匠として使われ、一般社会でも軍国主義とは無関係に広く使われていることを知っていてキャンペーンを始めたんでしょうか。どうも知っていたとは思えません。

 旭日旗を非難しても自衛隊が隊旗として旭日旗の使用をやめるはずもなく、朝日新聞が社旗を変えることもないでしょう(いや、朝日新聞なら社旗を変えるかもしれません。「旭日旗は右翼が使っている」と指摘した記事を書きましたからね)。いかに韓国と親和性のある日本の左翼でも「韓国が嫌がっているから旭日旗を廃止しよう」などとは大っぴらには言えないでしょう。

 こうなると反旭日旗キャンペーンは日韓関係をこじらせる効果があるだけということになります。関係をこじらせることそのものが目的なら意味はありました。現に2018年の国際観艦式に日本は参加しませんでした。

 でも実利はねえ・・・旭日旗が絶滅したとしても韓国にとって何の得があるんでしょうか。日本に嫌がらせができるという自己満足でしょうか。

見通し

 韓国は大統領が国民の力のユン大統領になってから無駄な反日運動はしなくなるでしょう。

 今回の護衛艦の訓練参加で韓国人がまともなら旭日の意匠が日本で軍国主義と無関係に普通に使われていることが知られるようになればキャンペーンのようなことはしなくなるかもしれません。日の丸が嫌だと思う韓国人はたくさんいるでしょうが反日の丸キャンペーンをしないんですからね。

 隣国との関係が悪くなって良いことはありませんから旭日旗問題も有名な呪いの鉄杭のように消えてくれることを願いたいものです。

 1990年代に流行り始めた慰安婦問題も沈静化しつつあります。最近では「20万人の少女が拉致された」という荒唐無稽な話を耳にすることなくなりました。実態が知られるにつれて落ち着くべきところに落ち着くんじゃないでしょうか。日韓関係悪化の新たなネタが生まれるかもしれませんが事態はだんだん良くなるかもしれません。

本当?の軍国主義の象徴

 旭日旗は軍隊用の国旗として採用されたにすぎず軍隊そのものの象徴ですらなく、旭日の意匠は千歳あめ大漁旗にも使われています。これを考えるとドイツの鉄十字よりも軍隊や軍国主義との関係すら薄いんじゃないでしょうか。国旗のバリエーションのようなものですから海上自衛隊は海軍旗をそのまま使っていますし陸上自衛隊連隊旗は光線が16本から8本に減っていますが旭日の意匠です。

 意匠としての軍国主義の象徴といえば旭日旗ではなく旧軍の五芒星じゃないでしょうか。星が陸軍、錨が海軍のシンボルでしたからね。陸上自衛隊が旧軍が使っていた五芒星の代わりに桜を使っているということは旧軍との関係を断つためなのかもしれません。